第3章 イスラームの 一般知識

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イスラームは人びとに知性と観察力を駆使するように教えている。それゆえイスラーム拡大期の僅か数年で、偉大な文明や研究施設が隆盛を見た。東洋思想と西洋思想の統合、新旧思想の統合は医学、数学、物理学、天文学、地質学、建築、芸術、文学、歴史などの学問に多大な進歩をもたらした。代数学、アラビア数字(数学の発展に不可欠であった)、ゼロの概念など多くの重要な

学問体系がイスラーム世界から中世ヨーロッパに伝えられた。アストロラーべ(天体観測儀)、四分儀、詳細な航海図などヨーロッパ人の新大陸発見を実現させるに至った精巧な機器はいずれもムスリムが開発したものなのである。

アストロラーべ(天体観測儀): 近代までヨーロッパで広く利用されていた最も重要な科学的機器の1つ。ムスリムによって開発された。}

ムスリムの医学者は外科手術を非常に重要視し、この古い写本に見られるように多くの外科用器具を開発した。}